blog庄司園長の部屋

アセスメント上手は支援上手

今年度よりホームページに向陽園のショートステイの空き状況をアップさせていただいておりますが、ショートステイの新規契約と申し込み、施設入所支援の入所希望が日に日に多くなっており、担当者は面接や契約の日程調整やアセスメントにてんてこ舞いのようです。以前は、ご家族が切羽詰った時に、緊急利用での申し込みがほとんどでしたので、月1~2件でしたが、最近は、週1件のペースです。計画相談が制度化されたことが大きな要因ではないかと思います。「疲れ果てて最後にたどり着く福祉サービス」から「もしもの時に備えての福祉サービス利用」、「疲れる前の福祉サービス利用」に変わったのであれば大変喜ばしいことです。

さて、羽陽学園短期大学で「社会福祉援助技術」、「相談支援」のお話をさせていただき、6年目を迎えますが、明日が今年度3回目の授業になります。私は、年にほんの数時間、ケースワークやグループワーク、そして援助過程についてお話しさせていただくだけですが、毎年、アセスメントについて力を入れてお話しさせていただいております。現場で働く若い職員を見ていても、利用する方々を理解しようと努力する職員は、良い支援を行っていますし、言葉だけでなく、しぐさや表情などを観察し、想いを汲み取ろうとする職員は良い支援計画を作成します。授業では、「アセスメント上手は、支援上手」とお話しさせていただいていますが、支援は、アセスメントの如何によって、良い支援にも悪い支援にもなるのではないかと考えます。

相談支援事業所も多くなり、当園のフェースシート、アセスメントシートとともに、様々な相談支援事業所のアセスメントシートやプランを見せていただく機会も多くなってきましたが、シートやプランを読んで、「今すぐにでも対応しなければならないのではないか」、「安心してご利用していただこう」と思うものもあれば、首をかしげるものもあります。訴訟に勝てる弁護士、勝てない弁護士などのドラマもありますが、サービスに結び付きやすい相談支援、結び付けられない相談支援など事業所も分かれてくるのではないかと、勝手に妄想してみたりしています。アセスメントやプランのランク付けなど行えと言われれば、できるのではないかなと……。

勝手な意見で申し訳ございません。相談支援事業者の皆さんお許しください。ただ良いプラン、アセスメントは、事業者にとっても大変ありがたいものです。

新しい人よ目覚めよ

母親が長年知的障がいを持つ方々の施設で働かせていただいたことから、母親を知る方々に出合うと、「お母さんの後を継いで福祉の世界に入ったの?」、「お母さんに影響されてこの道を選んだの?」と言う質問をよく受けます。自分自身としては、「母親に反発して……」と言う思いがあるのですが、なかなか言い出すこともできません。

あれは、大学2年の夏だったと思います。夏休みで帰省し、実家で過ごしている私に母親が、「障がいを持つ子供を抱える家族は可哀そうだ」ということを言い出しました。ちょうど施設もお盆帰省の時期で子供を迎えに来るご家族との会話を受けてのことだと思いますが、福祉を志す生意気盛りの私には、それは許される発言ではありません。「福祉で働く人間が、そんな発言をするとは……」と激しい口論になりました。大学に戻ってからも、釈然としない思いがあり、恩師である坪上宏先生にその話をしたところ、1冊の本を読むように進められました。大江健三郎氏の著書「新しい人よ目覚めよ」です。

大江氏のご子息光さんは、皆さんご承知のように音楽家としても素晴らしい才能を発揮されておりますが、知的障がいをお持ちです。大江氏は、光さんが生まれた時から、作家としての自分が障がいを持つ子供といかに共生していくかを模索し、「個人的な体験」や「ピンチランナー調書」などを描いてきましたが、「新しい人よ目覚めよ」は、ウイリアム・ブレークの予言詩を媒介としながら、成人した障がいを持つ子供との共生の姿を描き、次の世代である障がいを持つ兄と弟、妹との共生に思いをはせて終わります。

私にとっては、母親の世代から次の世代の福祉を求めてこの道を選んだと言いたいのですが……。

さて、先日、県協会の事務局長である渋谷博夫さんが急逝されました。渋谷さんは、大学の先輩でもあられましたが、実際にご指導いただいたのは、長年勤められた県の社会福祉事業団を退職されてから、ここ5年ほどで、事業団在任時のご様子は、常務から「伝説」としてお聞きする程度でしたが、法人の第三者委員として、そして県協会の事務局長として、様々なことに取り組む姿には、頭が下がる思い、いや「畏敬の念」を抱いておりました。

5月9日、亡くなられたその日に、特別な用事もないのにお邪魔し、お話ししたのが最後でしたが、県協会の政策委員会の在り方について、「本格的な政策提言ができるようにしたいね」というのが私の耳に残された最後の言葉となりました。

ご葬儀には、法人の第3者委員である山口さんをはじめたくさんの方がおいででしたが、皆さん第一線を引いた後も障がいを持つ方々のため、そして福祉のため精力的に活動をされています。

50を過ぎて、次代を育てるなどと思っていましたが、まだまだですね。目覚めるべきは、私たちの世代ですね。「新しい人よ目覚めよ」、渋谷さんは、我々世代に覚醒を促しているように思います。渋谷さんのご遺志を継いで……。                                           合掌

 

 

GWが終わり……

ゴールデンウイークも終わり、向陽園にもいつもの生活・活動が戻ってきました。法人の事業も多くなり、休みの日にも、30名近い数の職員が必要です。この連休中も職員皆が交代で勤務に入ってくれました。本当に感謝です。

この連休中の私の過ごし方はと言えば……。

5月2日は当法人の職員同僚会の「新採職員歓迎会」がありました。いつの頃からか、この「歓迎会」では、新採職員による出し物が恒例となっており、今年は、新卒職員8名による嵐、AKB、E-girlsの曲に合わせてのダンスパフォーマンスが披露されました。皆、休みや休み時間を利用して練習してきたということで息もピッタリ、すばらしいパフォーマンスでした。「馬鹿げた伝統」と感じないわけではありませんが、打ち合わせや練習の時間の中で、同期の絆も連帯感が生まれてくるようです。また、この短い期間で「まとめ役」や「調整役」など同期職員の中での役割や立ち位置が決まってくるから不思議です。昔見たドラマ「熱中時代」の中で、新米教師役の水谷豊が胃が痛くなる回がありました。その時、校長役の船越英二が「おめでとう。人を相手にする仕事は、相手のことを思い胃が痛くなるんだよ。これが教師の一歩だ」と励ます場面がありました。私たちの仕事も人相手の仕事です。胃が痛くなったり、悩んだりすることも多くあるでしょう。事業所の縦の関係、そして同期の横の関係の中で悩みをシェアしながら、利用する方々に喜んでもらえるような支援を行っていきましょう。

当然のことですが、3日は二日酔いで寝ていました。

そして5日は、ショートステイのお手伝い……。ショートステイ担当の今野さんの「どうしてもお受けしなければならない人がいらっしゃるが、利用する方々も沢山いらっしゃって自分一人では無理……。だけど、どうしてもお受けしなければ……。」という熱い思いに打たれ、お手伝いさせていただきました。当法人の日中サービスをご利用する方も多くなりましたが、その分連休でもお仕事を休めないというご家庭や「連休中、一時的にでもレスパイトを……」という要望も多くなっているようです。どうすればもっと多くの方々のご要望にお応えしていけるか、検討していきたいと思います。

そして、いよいよ上山市にできた「グループホームみるく、くれよん」もスタートです。ある会合で日本知的障がい者福祉協会地域支援部会部会長の山崎千恵美さんが、「非日常のイベントや行事よりも日常の生活を淡々と支える仕事の方が大変なんだ」というお話をされていました。利用される方々が安心して活動や生活ができるよう淡々と……。そして利用する方々の願いや夢が実現されるよう根気強く……。