blog井上博の「行雲流水」

社会資源とは

またまたブログが更新できず反省しています。時々まだですか?の

お問い合わせをいただきます。少し気楽に書いてみます。

先月16日には心音の研修会そして23日には東北福祉大学の都築

光一先生と菅原先生そして学生さんが地域移行の調査の報告会を

していたたきました。二つの研修会で私が最も関心したのは障害の

ある利用者の地域生活や余暇活動を支えていただいている地域の

皆さんの多様な力です。特にグループホームの世話人さんは感心

しました。4人の利用者が住むグループホームで食事作りを中心に

働いていただいているのですが、利用者の一人一人の話を余裕を

もって聞いてあげたいとのことです。人生経験豊かな世話人さん

やヘルパーが最も重要な社会資源であることに気づかされました。

そして都築先生からは地域資源を発見・開拓・活用する地域コーデ

ィネーターの大切さを教えていただきました。

障害福祉という枠にとらわれず地域に住む一人の人としての視点と

地域で生活する利用者を支える人のつながりをつくることがソーシャル

ワーク実践の要であることを再認識しました。

親の想い

先日愛泉会の創設に関わられたご家族にお会いした。

愛泉会は伊藤泉さんを中心に知的障害のある親が中心となって

立ち上げられた社会福祉法人である。その構成メンバーのお一人

でもある。

当時山形市内に知的に重度の人が利用できる入所施設はなく多くの

人たちが遠く離れた県内外の施設の利用であった。

現在、息子さんは置賜地方の施設に入所され30年を経過しているという。

ご自身も高齢となり片道80㎞を越える距離では面会も大変な様子だった。

ご自身がこれまで面会行くたびに書いてこられた面会記録を見せていた

だいた。面会の回数は900回超えるという。一回一回のご子息の様子や

担当者等の記述が丁寧になされていた。面会のついでに

置賜地方の観光地を訪ねたこともなく毎回がとんぼ返りの面会という。

「一分一秒でも子供のところにいたい」からとのお返事だった。

わが子の幸せを願わない親はいない。

現在の障害のある人の福祉は身近なところで自立した生活が目標

である。

愛泉会の実践を通して親の想い利用者の想いを可能な限り実現したい。

国立ハンセン病資料館を訪ねて

11月3日に5年ぶりに東京都清瀬市にある国立ハンセン病資料館に

お伺いした。様々な医療施設が点在する広大な敷地に資料館はある。

東京都の医療関係者にとって必ず訪れる場所となっているという。

このたびの訪問でも「らい予防法」によって多くの患者さんが差別され

隔離され、強制労働を強いられ命をうしなった方が多くいらっしゃった

ことに驚く。

社会の対応については知的障害者の方たちが歩まれた道と共通点が多い。

隔離、故郷を離れた療養所、大規模コロニーでの生活、家族の無理心中。

彼らの意思とは無関係に社会の在りようによって振り回され続けた歴史

である。ハンセン病の皆さんの生活が国の法律によって大きく変わった

ように知的障害のある人たちの生活も変わるように国の介入を期待したい。

本人の意思とは別に故郷を離れ遠くで暮らす姿が重なった。

帰りにかつて厳しい隔離の地であった全生園でお祭りが開かれていた。

かつて園の中に強制的な生活を送っていた方々が人生を謳歌するように

祭を楽しんでおられた。そんな姿が知的障害の多くの方々にも訪れること

を願いたい。

障がい者福祉ソーシャルワークについて

先週東京の国際フォーラムで日本知的障害者福祉協会で実施している

社会福祉士養成課程のスクーリングで相談援助演習を担当した。

18名の受講生とともに3日間の演習を共にした。18名は他の養成所と

異なり圧倒的に知的障害者へのサービスを提供する事業所に

所属しているスタッフであった。

私は障害のある利用者が地域で生活する基盤をつくっていくには制度が

充実することとそのサービスを有効に活用するソーシャルワーカーや

社会福祉士の存在が不可欠であると思っている。

実習に行った学生の報告や現場の実践記録を見る限り知的障害者福祉

の現場は問題山積の状況にあるように思う。

現場の状況を聞くと決して利用者本位とは言い難い様子がうかがえる。

知的障害のある利用者は自ら反論することは難しく、精神障害や身体

障害の方に比較すると圧倒的に厳しい状況にある。

これまでの歴史を振り返っても本人よりも圧倒的に親や支援者そして社会の

側からの主張にに振り回されている感がある。知的障害者福祉に携わる

スタッフは権利擁護の意識を常に持ち自分自身の自己覚知が絶対条件である。

知的障害者福祉協会の活動を通して知的障害者の福祉分野でソーシャルワーク

の専門性の確立が必要であることを実感した。

日々の研さんを重ね、利用者の地域で住む権利や働き活動する権利の実現に

貢献したい。

 

 

意思決定支援ガイドブックについて

このたび日本知的障害者福祉協会から意思決定支援ガイドブックが

発刊された。これまで意思決定支援特別委員会で議論してきたことが

形になり皆様に手に取っていただけることを大変うれしく思います。

私たちの知的障害福祉現場で聞かれる最も多いスタッフのやり取りは

「Aさんは何を求めているのかな?」「Bさんの行動はなにをあらわし

ているのだろう?」「Cさんはあの時はこうだったので今はきっとこ

う思っているのでないかな?」「Dさんのあの表情はきっと寂しいんで

ないかな?」「Eさんきっとあの人が苦手でイライラしているのかな?」

「Fさんがおこっているのは体の調子が悪いのかな?」現場に飛び交う

スタッフの言葉は利用者の想いを探り意思決定を促す言葉がけが圧倒的です。

特に言葉で表現することができない利用者の行動や表情から想いや

要望や願いを感じ取ることが私たちの最も日常的で本質的な仕事です。

意思決定支援ガイドフックは支援者に新たな気づきをもたらして

支援現場の質があがってくれれば本当にうれしいことです。

私の願いは意思決定支援が小さな限られた関係や空間の議論にとどま

らず障害のある方が地域で自分の意思によって普通に生きることができ

るようになることです。

ソーシャルワーク実践によって彼らの可能性がさらに開かれ障害のある人に

優しい社会に変えていくようなダイナミックな取組になること願ってい

ます。 どうぞ手に取ってみていただきご意見をお寄せください。

田口委員長や小沢先生、そして事務局の三浦さんはじめ多くの皆さんのご

労苦に心より感謝申し上げたいと思います。

 

社会福祉法人改革について

社会福祉法改正にともなう社会福祉法人改革の本格実施が始まって

います。このたび最も大きく変わるのは評議員会のあり方です。

これまでの諮問機関から議決機関となり人数も半分程度となってい

ます。このたびの改革が一部法人の同族経営や不正な支出の是正と

いった側面は評価できる内容ですが逆にが社会福祉法人の本来の

役割である地域の福祉ニーズに対応する組織改革とはなっていない

のではないかと思います。

愛泉会としてこのたびの改革にあたって特に二つの点に留意しまし

た。一つは評議員は次の立場から就任をお願いをいたしました。

社会福祉士を中心とした権利擁護の専門家の皆さん、経営の時代に

対応する民間企業の経営者の皆さんそして、スタッフの採用・育成

の視点から大学、短大の教員の皆さんに参画いただきました。

もう一つは新たに法人として地域運営協議会を始めることです。

これまで障害当事者や職員を含めて地域の方々に評議員をお願い

してきました。

利用者や地域の意見をあげていただくために今後とも多くの方々

に参画いただきたいと思います。

この法人改革を新たな視点で障害のある人々の権利と地域課題に

対応する法人経営につなげてまいりたいと思いますので。一層の

ご支援ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

年頭に当たって

新年明けましておめでとうございます。

今年の山形は極端に雪が少なく穏やかな正月を迎える

ことができました。

今年は元旦にグループホームを4日には日中系事業所を

回らせていただきました。合計26個所2日がかりでした。

グループホームでは元旦から若いスタッフが勤務し初詣や

新年会、おせち料理等が準備されておりました。

又日中系事業所でも様々な工夫があったり新しい仲間が多く

新年の思いを新たにいたしました。

昨年は7月に神奈川県相模原市にある津久井やまゆり園で

本当に悲しい事件がありました。

多くの知的障害のある仲間が尊い命を失いました。私たち

は犠牲になった命を無駄にしないための実践が求められてい

ます。

私は知的障害のある利用者の価値を地域社会に発信し、そして

利用者の命や存在を大切にする実践を具体的に展開する必要が

あると考えます。

重い障害のある利用者が大切にされる社会がすべての人が豊か

に暮らすことができる社会です。愛泉会において

普通に利用者が暮らし活動する社会を具現化するソーシャルワ

ーク実践に取り組む一年としたいと思います。

又社会福祉法人改革が実質的には4月からはじまります。

評議員会のあり方を始め大きく変わり地域社会への貢献が

一層もとめられます。

今年一年の当法人の事業へのご支援ご協力をいただきますよう

よろしくお願い申し上げます。

 

法人創立30周年記念式典・祝賀会について

さる、11月22日に法人創立30周年の記念式典と祝賀会を

山形市の国際ホテルで開催することができました。

当日の早朝に福島県沖の地震が発生し仙台空港が閉鎖され、

当日の講演者、北海道伊達市からおいでいただく予定であっ

た小林繁市先生の搭乗予定の便が飛ばない事態となった。

結果的には、青森空港、仙台駅着でおいでいただいて無事

講演をお聞きすることができた。心より感謝したい。

わが国でも最も充実し伊達市の地域実践の具体例を

お話しいただいた。尊敬する小林先生の講演会を実現

することができ一つの夢が実現した。

記念式典ではこれまでご支援いただいた多くのご来賓、

関係者においでいただき開催することができた。

祝賀会ではこんなあいさつをさせていただいた。

三つの感謝 初めに利用者の皆さんに感謝、当日は

この30年間ご利用いただいたみなさんを中心にに

祝賀会に参加いただいた。

障害のある利用者へのサービスを提供させていただく

事業者として利用者の皆様とともに30年の節目に感謝したい。

二つ目はスタッフに感謝したい。入所施設やグループホームで

働くスタッフにとってこの30年そして24時間交代で休むことなく、

利用者の生活を昼も夜も支えていただいたことになる。

改めて法人の事業も現在220名のスタッフの働きによって支えられ

ている。感謝したい。

三つめは人と人との出会いに感謝したい。現在愛泉会の経営

や新規事業の立上げは多くの人々とのであいと支援あって

実現できたものである。これまでのご協力に感謝したい。

これからの10年20年先を見つめであいやご縁を大切に

利用者を中心とした事業経営に努めたい。

障害福祉の思想の再確認

ご承知の通り7月26日神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で利用

者19名の尊い命が犠牲になり26名が負傷するという驚愕する事件が

発生した。亡くなられた利用者のご冥福をお祈りするとともに心身

に大きな傷をおわれた皆様の早期の回復を願いたい。

犠牲になられた方が抵抗の難しい重い知的障害のある利用者であった

ことさらにその犯人が元職員であったことは大きな衝撃であった。

報道によれば犯人は障害のある人の生存を否定する考え方を持ちそれを

実行したという。

余りの状況に驚愕するばかりであるが私たちはこの事実にどのように向

き合えばよいのだろうか?

今こそ私たちは障害福祉の思想の原点を再確認する必要があると考える。

かつて知的障害者福祉の父といわれた糸賀一雄先生はどんなに重い障害の

ある利用者も一人一人は価値あるかけがえのない存在であってその発達は

無限であり、そして利用者の存在は世の光であると訴えられている。

糸賀先生、石井亮一先生、そしで近年亡くなられた江草先生はじめ多くの

先人たちの思想を確認するとともにその価値を共有し障害のある利用者が

社会の中で輝く存在であることを勇気をもって世に訴える必要がある。

さらに私たちが日々関わる目の前の利用者の意思や感情、思いを大切にする

実践を通して利用者家族に安心感を取り戻していただきこの危機を乗り越え

ていきたい。

全国知的障害関係施設長等会議に参加して

先週6月23日24日横浜で開催された日本協会の施設長会議

に参加しました。

このたびの役員改選で副会長に選出され、「晴天の霹靂」でした。

言葉通り なぜ故に私がとの思いですが選出いただいたからには

任期中、障害のある利用者、それを支える若いスタッフに

貢献できるように頑張る所存です。

このたびの施設長会議では社会福祉法人改革の議論が

中心でしたが、話をお聞きして違和感がありました。

社会福祉法人の課税問題やガバナンスの強化そして

余裕財産等お金の話が出発の法人改革です。

障害福祉分野は親や支援者が立ち上げた小規模事業所が多く

なかなかこのたびの改革議論からは遠いという印象です。

私は現在の議論の前に障害のある利用者の権利擁護の視点

からの改革が求められていると思うのです。今の行政監査で

良いのか?相談のあり方は?地域移行はなぜ進まないのか?

虐待を防止するにはどんな方法があるのか等々利用者の

権利擁護という視点からの改革が求められていると思います。

二日目は第4分科会「障害者の権利擁護と意思決定支援」で

コーディネーターを務めました。昨年度の意思決定支援に関する

特別委員会の内容を確認できたこと、パネラーからは本人活動の

支援、障害の重い利用者の意思決定支援地域での多様な生き方を

保障する取り組みの発表をいただきました。

権利擁護の取組とともに意思決定が徹底され利用者本人の意思に

よって人生を歩めるようになるために私たちの実践が求められて

います。