blog井上博の「行雲流水」

ある作品展

先日当法人のグループホームでKさんの作品展が開かれており

彼の作品群を見ることができた。以前さぽーとの巻頭言に「可

能性の信頼」というコラムに彼のことは書かせてもらった。

精神病院から向陽園に入所されたとき薬漬け、たばこづけで

昼夜逆転の彼の生活がゲーム機を通して見事に変わり、職場実習

に行きそしてグループホームに入居され、様々な経験をされた。

そんな彼も年齢を重ね今はグループホーム生活と日中は生活介護

を利用されている。

その生活介護事業所で「ぬりえ」に取り組まれおびただしい数

の作品が展示されていた。

彼の生命の躍動を感じる作品となっている。そして現在は

作品とともにYさんが大好きとのことで一緒に移った写真を

いじらしいほど大切にしていることが伺えた。

ハリのある充実した生活を日々送っている。

様々な経験をしながら一つのことに情熱をかける

彼の生き方を手本としたい。

次年度の取り組み

立春を過ぎ自宅ではいただいた啓翁ざくらが咲き始めました。 現在次年度の事業計画づくりの時期である。 計画は常に変化し、対応を工夫し新鮮な内容でありたい。 今年の新規事業は天童市において今年度開設した 「天花」の隣にグループホームを建設いただいている。 又山形市花楯に高齢になった障害のある利用者が入居 できるグループホームを建設いただいている。 大家さんに感謝申し上げたい。 今年は雪も少なく工事も順調に進み双方とも5月に 開設予定となっている。 そして中山町からの事業の委託の話をいただいて現在 検討中である。 昨年の大きな事故があり新規の事業はと思い悩むが 利用者家族の要望や行政から要請があったりすると引き受ける 結果となる。確かに福祉、特に知的障害者の皆さんは ゆったりとした時の流れが似合う。現場では利用者に 丁寧にゆったりと関わりたい。 しかしサービスが圧倒的に不足している県内においては運動体 でありたいと思っている。利用者や 地域のニーズに対応し、変化し成長する事業所でありたい。 そのためには人材の養成が必須である。 特に小規模事業所が地域に点在する愛泉会方式では各拠点での リーダーの皆さんの力にかかっている。 基本理念を確認しながら利用者の安全安心を最優先しこれからも 利用者、ご家族の人生を支援していきたい。

新年を迎えて

新年あけましておめでとうございます。

仕事始めにあたって板垣理事長、園長・センター長より

あいさつがありました。

板垣理事長より

愛泉会はことしで31年目を迎える。

利用者、スタッフ、そしてサービス提供エリアが広がり、

事業の拡大が続いている。このような時には理念を共有し

原点を確認する必要がある。

スタッフを伸ばすのは管理者・リーダーの役割である。

スタッフの長所に目を向けて育ててほしい。

発達障害や行動障害が多くなりその発生原因と対策に留意

する必要がある。

法人の課題を共有し、コミュニケーションを図りながら

一人一人が職務に当たっていただきたい。

庄司園長

初心に帰りましょう。福祉の原点を確認し利用者中心の

考え方や利用者の可能性を信じる関わりを夢を描いて

今年一年緊張感をもって取り組んでいきたい。

村井センター長

利用者中心の考え方を徹底し、利用者の自己決定や

自己選択を大切にした取組にしたい。言葉に表せない

利用者の想いをくみ取り、探っていきたい。

率直に語り合える職場環境づくりに留意したい。

竹田センター長

スタッフの総合力を高めていきたい。

昨年自分は50歳でフルマラソンに挑戦した。

気持ちよく働ける職場づくりにつとめながら公私の

区別をつけて様々な分野にチャレンジしていきたい。

あまり無理をせずに早めにSOSをだせる職場であり

たい。

井上

障害のある利用者が地域で生活することを支えることが

当法人の実践の課題である。

ソーシャルワーク実践が求められているのでスタッフの

皆さんは自分の目標を立て研鑽していただきたい。

以上骨子です。

昨年の重大事故を反省し新しい気持ちで今年度の

事業に取り組む決意です。

一層のご支援ご協力をこころよりお願い申し上げます。

事故報告

12月8日9日評議員会と理事会が行われ事故の報告を行いました。

その後の経過と取組について報告いたします。

①行政への報告

県障がい福祉課、村山総合支庁、山形市、天童市、上山市、寒河江市、

寒河江市、山辺町に事故についての謝罪と報告に伺った。

②事故の検証会議の開催

法人の事業管理者、サービス管理責任者等による検証会議を行った。

その中で日常の送迎においても多くの事故につながりかねない状況が

報告され、添乗の見直しとドライブ活動の見直しを行った。

③緊急理事会、評議員会の開催

利用者支援の危機管理体制の確立や障害の重い利用者の立場に立った

救急医療体制や事故後の看護見守り体制についてのご意見をいただいた。

④家族会への事故報告

施設入所支援、グループホーム利用者のご家族には向陽園で事故報告を

行った。日中系利用者のご家族には文書で報告を行った。

⑤被害者への対応

お見舞い、謝罪お伺いした。今後とも連絡を取り続け、誠意をもって対応

したい。

⑥ご遺族との話し合い

ご遺族は突然のご子息の死を受け入れがたく喪失感に満ちた日々を送られ

ている。弔問にお伺いし謝罪を行っている。

⑦危険個所の調査と対応

すべてのスタッフから危険個所の報告が提出された。内容を検討し再発

防止につなげている。

⑧法人としてのリスク検討委員会の開催

定期的に管理者、リーダーを中心としたリスク検討委員会を開催して

いる。

事故発生から2ヶ月が経過しました。この間ご遺族、被害者はじめ本当

に多くの皆さんの悲しみ、苦しみに出会いました。心よりお詫び申し上

げるとともに再発防止に取り組みたいと思います。

法人としてこのたびの事故を受け止め障害のある利用者と家族の幸せを

実現するために何ができるか検証して参ります。

尚このたびの事故を受けて30周年記念式典や利用者のパーティは中止と

させていただきました。

 

 

重大事故発生のご報告とお詫び

10月14日午後2時55分頃当法人事業所の車両が利用者のドライブ中

上山市の国道でこちら側の過失で衝突事故をおこしました。

その結果同乗していた利用者5名の中で残念ながら1名の利用者の

尊い命が犠牲となりました。

さらに対向車のお二人に怪我があり、お一人は重傷をおわれました。

障害のある利用者の生命と安全を守る役割を持つ当法人がこのような

重大事故を引き起こしてしまい、ご逝去されたSさんそしてご両親に

心からお詫び申し上げます。そして大きな怪我をおわれたKさん

ご一家に心よりお見舞い申し上げます。そして同乗していた利用者と

ご家族には多大なるご心配をおかけいたしました。

取り返しのつかない結果となり断腸の思いです。

今後、安全対策の再確認と法人としての私たちの危機管理の在り方を

見直すとともに再発防止と信頼の回復のために全力

で取り組んでまいります。誠に申し訳ございませんでした。

理事長  板垣歳光

常務理事 井上 博

心の三原色

先日国際ホテルで米沢興譲教会牧師田中信生先生をお迎えして

法人創立30周年記念講演会を開催いたしました。

日頃からお世話になっている方々やご家族、役職員等で170名を

超える皆さんにご参加いただきました。心より感謝申し上げます。

田中先生に利用者を支えるスタッフや家族が元気になるメッセ

ージをいただきました。

障害のある利用者や家族の皆さんが障害という試練を宝に

変わるためには関わる私たちスタッフの心のありようの大切

さを教えていただきました。

心の三原色「関心」「関係」「感謝」のキーワードを

丁寧でそして力強いメッセージに圧倒されました。

私たち支援者としての人間としての器がさらに整えられ

利用者、家族に新しい価値を発見してもらえる出会いとなるよる

ように祈りたい。

長年願い続けた夢が一つ実現しました。感謝。

愛泉会創立30周年記念講演会について

今年度の機関誌は愛泉会設立30周年特集号となっています。

県都山形市に障害の重い利用者の入所施設を合言葉に法人が

設立され30年の月日が流れました。

30周年をどのように祝うか理事会でもご議論いただきました。

一つは利用者の皆さん向けには記念パーティーを開催し

ご家族、職員、地域の皆さんには記念講演会と記念式典を

スタッフ向けには海外研修を予定しています。

第一弾として

記念講演は9月3日18時から山形駅前の国際ホテルを会場として

米沢興譲教会牧師田中信生先生の講演をお願いしています。

障害のある利用者を支える家族やスタッフが元気でホジティブに

生きていることがまず障害のある利用者の幸せにつながると思う

からです。

障がいの意味や価値を再確認する機会となることを願っています。

私が16年ほど前に山形市の自閉症の事業所の研修会で田中先生の講演

をお聴きしました。「心いやすものそれは一元論です」とのタイトルで

した。

障がいをポジティブにとらえ、ご本人、ご家族、スタッフが変わり

そのことで社会が変わっていくとの内容は目からうろこでした。

当時障害はないに越したことはないと思い利用者をかわいそうな人

だと思っていた私の考え方を変えていただいたと思っています。

是非多くの方々に足を運んでいただければ幸いです。

ご来場をこころよりお待ちしております。

施設入所支援と地域生活

障害のある利用者の施設入所支援利用者は全国で119,878名(平成25年末)

であり山形県は1,659名となっている。

わが国は国際的な障害者の権利条約締結国となり、条約には障害のある人

には条約19条地域で生活する権利の保障と特定の生活様式を強制されない

権利があることが明記されている。特定の生活様式とは長期の入院生活や

長期の入所生活である。

全国的には地域格差は大きいのであるが地域でグループホームで生活する

人と施設入所者が逆転する県が出てきている。わが県は残念ながらグルー

プホーム設置数は決して高くない。

徐々にではあるがしかし確実に地域生活への移行は進んでいる。

当法人が経営する向陽園は80名の入所施設であったが現在は定員40名

を目指している。しかし利用希望者が多くなかなか目標値に近づかない。

現在のグループホーム定員は76名となり完全に逆転している。

施設入所支援は全廃したいがなかなか困難な状況にある。

それにしても施設入所生活は知的障害や自閉性障害のある利用者に

とってもっとも生活しづらい環境にあると思う。

利用者の希望もグループホームであり、施設入所を選択する利用者

は皆無である。

だとすると施設入所支援の利用目的を明確にすべきであると思う。

どんなに障害の重い利用者も利用期間を限定し長くても5年以内

とすべきであると思うし、いわゆる緊急対応の措置入所に限定す

べきと考える。そして利用期間の間地域で生活する体制を法人は

創るべきと考える。多くの施設入所者は長期間の施設入所で高齢化

が課題となっている。施設入所で終わる人生でなく地域での普通の

生活を保障したい。来年4月に2か所のグループホーム開設を目指し

地域生活を推進したい。

 

 

 

 

 

 

 

暴行事件と障害福祉現場

山口県下関市の大藤園の支援者による利用者への暴行事件の報道が

何度も何度もテレビで流され知的障害事業所全体の信頼を揺るがす

事態となっている。暴行を受けたご本人、ご家族はあの映像をどの

ようなの想いでご覧になったのであろうか。そしてこれまでも繰り

返し繰り返し起こる知的障害者施設における暴行事件や傷害事件

そして虐待と不適切な支援。その根絶に向けて協会はあらゆる手立

てをつくして必死に取り組むべきであろう。

先日の日本協会の評議員会では山口県の会長さんからの経過報告

を受け施設の管理体制その対応の速度や市の監査体制のあり方も

含め多くのことを考えさせられた。

その席で日本協会前会長である小板会長さんから発言があった。

現在の障害福祉現場は疲弊しておりその在り方について本質的

議論が必要でないかとのご意見だったと思う。

確かに、長年続いた措置時代から、市場原理である支援費制度や、

自立支援法等により多様な経営主体の参入が進み競争が激化して

おりその矛盾が支援現場に大きく影を落としている。

支援を時間で測る障害支援区分や職員配置は常勤換算方式となり

サービス量の飛躍的増加や事業体の裁量権の拡大というプラスの

側面とともに支援現場の専門性は大きく後退しているように思う。

前会長のおっしゃる通り大きな枠組での総括が足りないように思う。

やはり相手によって対応を変えていくべきであろう。介護保険や

障害福祉の次の報酬単価でもゼロやマイナス改正を厚生労働省の

担当課長が発言する事態となっている。現政権も防衛や海外貢献には

熱心でも福祉へのメッセージはほとんど聞かれない。

利用者の権利という視点からはあまりに貧弱な障害福祉現場や高齢

分野、現場の疲弊が大きな課題となっている今

新たな視点の運動が求められていると考える。

意思決定支援について

日本知的障害者福祉協会の「意思決定支援」の特別委員会の一員として

参画させていただいている。各分野を代表する8名の委員の方から委員

会でどんな意見が聞けるか楽しみにしている。

知的障害のある利用者の意思決定支援は利用者を意思決定できる人と

見るか、意思決定できない人とみるかで決定的に違うと考える。

長年の実践の中で思うのはこれまで利用者の方は意思決定できない人

とされ自らの人生を自ら担うことを拒否され続けてきたに違いない。

例えばこれまで入所施設を自らの意思で選んで入所した方はいらっし

ゃるのだろうか?おそらく本人の意思ではなく、親やご家族、ある時は

地域や社会の都合で入所となったように思う。障害福祉の歴史のなか

で親や家族にとっても地域で必要な障害福祉サービスのない中で断腸

の思いでの決断だったのであろう。

私の実践のスタートは大規模コロニーでの最も障害の重い利用者の支援

から始まった。プライバシーのない大集団での生活で繰り返される問題

行動は彼らの現状への必死の抵抗と叫びであったと思う。

愛泉会では現在グループホームで障害支援区分5と6の方が31名の方が利用

されている。区分4の方を入れると53名の利用となっている。

グループホームでは個室でプライバシーが保障され、日中は地域の生活

介護事業所に通い週末は家庭で過ごされている方もいる。彼らの自発的

行動が多くなっていることに驚く。彼らの成長は安心できる居住環境

質の高い日中活動そして関わる支援者の利用者の要求行動に対する

対応にかかっている。

彼らの表情や行動から明らかに入所施設よりはグループホームを選択し

ていると思う。最も肝心なことを自らの意思で決める環境づくりを大切

にしたい。

だれとどこで住むか、日中はどこでどんな活動をするか

地域の中で様々なことを体験しながらをご利用者には自らのの意思によ

った生活を送っていただきたい。

現場のそしてソーシャルワークの視点を大切に意思決定支援について考

えてみたい。