blog井上博の「行雲流水」

さくらんぼ共生園の実践に学ぶ

暑い日が続きますが皆さんお元気でお過ごしのことと思います。

私ごとですが真夏のSON山形のトーチランや納涼大会そして個人的な休暇で真っ黒に日焼けしてお会いする人に

驚かれています。今日事務所に出勤すると青森県の施設のスタッフによる暴行事件の報道がありました。本当に

利用者の権利を侵害する残念な事件が多発します。

さて、少し前になりますが7月22日に山形県知的障害者福祉協会主催の権利擁護推進委員研修の中で

寒河江にある「さくらんぼ共生園」の倫理推進委員である立川優さんから実践報告をいただきました。

利用者中心の考え方が日々実践の中に徹底されている素晴らしいご報告でした。

月2回の自治会は施設の開所から継続されており、共通の意見を出し合ったり、聞きあったりするプロセスの中で場と役割、安心と自信を与えられ人は変わっていくとのことでした。そして話し合う時には相手の状況に合わせて視覚情報を蓄積し、時には1対1で丁寧にサポートをされるようです。そして支援会議への利用者参加を促し、わかりやすい情報を提供されていました。

又個別面談を行い利用者とスタッフお互いに向き合い立ち止まる時をしっかり保障しておられます。

なんと丁寧な実践でしょう。さくらんぼ共生園にお伺いすると感じるゆとりや穏やかさはスタッフのこのような利用者への関わりの集大成であると思います。このような関わりの中からは不適切な関わりやまして権利侵害につながることは皆無といえるでしょう。さくらんぼ共生園の利用者中心の素晴らしい実践から多くのことを学び私たちの支援に生かしてまいりましょう。

福祉セミナーを開催して

7月12日に山形市のビッグウィングで福祉セミナーを開催しました。身体障害、知的障害、精神障害の障害関係各団体が何回かの実行委員会で打ち合わせして開催できた意義は大きいと思う。

当日は福島県からの参加を含め150名を超える関係者の参加があり、一定の成果があったと思う。身体や精神の当事者が多く参加していただいたが知的障害のご本人の参加がなかったのはこれからひと工夫必要であると思う。

自らが障害当事者であり、わが国の障害者制度改革の中心的存在である東先生の講演と助言は素晴らしかった。

そして、平間さん司会のリレートークでも4名の方から発言があり、障害福祉事業所開設にあたっての住民の反対運動や就労する時の壁や差別、偏見制約等々、障害当事者そして親の痛みや苦しみ、そして怒りを共感するところからこの運動は始まることを教えてくれた。

この成果を次につなげ当事者の方が中心となる山形県の差別禁止条例制定につなげていきたい。

このセミナーも障害各団体との連携も前渋谷事務局長の蒔かれた種である。

渋谷さんの願いをくみ取り障害当事者の皆さんの想いを受け止めて活動を展開していきたい。

それにしても研修やセミナー開催が続く。山形県知的障害者福祉協会のお二人、そしていつも支えてくれる愛泉会のスタッフには感謝です。この経験が一人一人のさらなる成長につながることを祈りたい。

山形県新任職員研修に参加して

先週の7月2日に山形県新任職員研修会に参加し「障がい者の理解と権利擁護」というテーマでの1時間15分の

講義とグループ討議を担当した。80名を超える参加があり参加者の年齢や経歴も多様であった。

骨子としては障害の理解のためには医学モデルから社会・生活モデルへの転換が求められること。

支援プロセスの中で特に理解を深めるためにアセスメントが重要であること。客観的な理解とともに

体験的共感的理解が必要なこと。新任職員の間に利用者としっかり向き合い利用者から学ぶ視点を大切にすること。

権利擁護については対人援助の専門職としてしっかりした倫理観、歴史観、人間観が求められていること、

消極的な権利擁護から積極的な権利擁護が求められること、そして日常の支援にあるグレーゾーンの検証に

留意することそして自分自身の心を知りそして育てていくこと等についてお話をさせていただいた。

午後からは障がい当事者である平間みゆきさんの話や自分たちの身近な支援についてグループ討議を行った。

若い人の中にはとても感性のいい人が多く感心させられたし、心強く思ったが参加者の中の少数であったが上から目線の発言や障害のある利用者の支援を躾や甘やかしのレベルでとらえている発言もあり考えさせられた。

専門職として自己研さんに努めていこう。マンネリズムに陥ることは私たちの目の前の利用者の可能性を

閉ざすことにつながってしまう。利用者と支援者間の交流のダイナミズムに私たち障がい福祉の本質があるように思う。

私がかつて日々ご指導いただいたひめゆり寮の鈴木新二先生はT型人間が理想であるとよくお話しをされた。

横軸の幅の広い視点と縦軸の専門性の深さを持ち次世代の新しい障がい福祉を背負う人材として育つことを

願いたい。