blog井上博の「行雲流水」

社会福祉法人改革について

社会福祉法改正にともなう社会福祉法人改革の本格実施が始まって

います。このたび最も大きく変わるのは評議員会のあり方です。

これまでの諮問機関から議決機関となり人数も半分程度となってい

ます。このたびの改革が一部法人の同族経営や不正な支出の是正と

いった側面は評価できる内容ですが逆にが社会福祉法人の本来の

役割である地域の福祉ニーズに対応する組織改革とはなっていない

のではないかと思います。

愛泉会としてこのたびの改革にあたって特に二つの点に留意しまし

た。一つは評議員は次の立場から就任をお願いをいたしました。

社会福祉士を中心とした権利擁護の専門家の皆さん、経営の時代に

対応する民間企業の経営者の皆さんそして、スタッフの採用・育成

の視点から大学、短大の教員の皆さんに参画いただきました。

もう一つは新たに法人として地域運営協議会を始めることです。

これまで障害当事者や職員を含めて地域の方々に評議員をお願い

してきました。

利用者や地域の意見をあげていただくために今後とも多くの方々

に参画いただきたいと思います。

この法人改革を新たな視点で障害のある人々の権利と地域課題に

対応する法人経営につなげてまいりたいと思いますので。一層の

ご支援ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

年頭に当たって

新年明けましておめでとうございます。

今年の山形は極端に雪が少なく穏やかな正月を迎える

ことができました。

今年は元旦にグループホームを4日には日中系事業所を

回らせていただきました。合計26個所2日がかりでした。

グループホームでは元旦から若いスタッフが勤務し初詣や

新年会、おせち料理等が準備されておりました。

又日中系事業所でも様々な工夫があったり新しい仲間が多く

新年の思いを新たにいたしました。

昨年は7月に神奈川県相模原市にある津久井やまゆり園で

本当に悲しい事件がありました。

多くの知的障害のある仲間が尊い命を失いました。私たち

は犠牲になった命を無駄にしないための実践が求められてい

ます。

私は知的障害のある利用者の価値を地域社会に発信し、そして

利用者の命や存在を大切にする実践を具体的に展開する必要が

あると考えます。

重い障害のある利用者が大切にされる社会がすべての人が豊か

に暮らすことができる社会です。愛泉会において

普通に利用者が暮らし活動する社会を具現化するソーシャルワ

ーク実践に取り組む一年としたいと思います。

又社会福祉法人改革が実質的には4月からはじまります。

評議員会のあり方を始め大きく変わり地域社会への貢献が

一層もとめられます。

今年一年の当法人の事業へのご支援ご協力をいただきますよう

よろしくお願い申し上げます。

 

法人創立30周年記念式典・祝賀会について

さる、11月22日に法人創立30周年の記念式典と祝賀会を

山形市の国際ホテルで開催することができました。

当日の早朝に福島県沖の地震が発生し仙台空港が閉鎖され、

当日の講演者、北海道伊達市からおいでいただく予定であっ

た小林繁市先生の搭乗予定の便が飛ばない事態となった。

結果的には、青森空港、仙台駅着でおいでいただいて無事

講演をお聞きすることができた。心より感謝したい。

わが国でも最も充実し伊達市の地域実践の具体例を

お話しいただいた。尊敬する小林先生の講演会を実現

することができ一つの夢が実現した。

記念式典ではこれまでご支援いただいた多くのご来賓、

関係者においでいただき開催することができた。

祝賀会ではこんなあいさつをさせていただいた。

三つの感謝 初めに利用者の皆さんに感謝、当日は

この30年間ご利用いただいたみなさんを中心にに

祝賀会に参加いただいた。

障害のある利用者へのサービスを提供させていただく

事業者として利用者の皆様とともに30年の節目に感謝したい。

二つ目はスタッフに感謝したい。入所施設やグループホームで

働くスタッフにとってこの30年そして24時間交代で休むことなく、

利用者の生活を昼も夜も支えていただいたことになる。

改めて法人の事業も現在220名のスタッフの働きによって支えられ

ている。感謝したい。

三つめは人と人との出会いに感謝したい。現在愛泉会の経営

や新規事業の立上げは多くの人々とのであいと支援あって

実現できたものである。これまでのご協力に感謝したい。

これからの10年20年先を見つめであいやご縁を大切に

利用者を中心とした事業経営に努めたい。

障害福祉の思想の再確認

ご承知の通り7月26日神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で利用

者19名の尊い命が犠牲になり26名が負傷するという驚愕する事件が

発生した。亡くなられた利用者のご冥福をお祈りするとともに心身

に大きな傷をおわれた皆様の早期の回復を願いたい。

犠牲になられた方が抵抗の難しい重い知的障害のある利用者であった

ことさらにその犯人が元職員であったことは大きな衝撃であった。

報道によれば犯人は障害のある人の生存を否定する考え方を持ちそれを

実行したという。

余りの状況に驚愕するばかりであるが私たちはこの事実にどのように向

き合えばよいのだろうか?

今こそ私たちは障害福祉の思想の原点を再確認する必要があると考える。

かつて知的障害者福祉の父といわれた糸賀一雄先生はどんなに重い障害の

ある利用者も一人一人は価値あるかけがえのない存在であってその発達は

無限であり、そして利用者の存在は世の光であると訴えられている。

糸賀先生、石井亮一先生、そしで近年亡くなられた江草先生はじめ多くの

先人たちの思想を確認するとともにその価値を共有し障害のある利用者が

社会の中で輝く存在であることを勇気をもって世に訴える必要がある。

さらに私たちが日々関わる目の前の利用者の意思や感情、思いを大切にする

実践を通して利用者家族に安心感を取り戻していただきこの危機を乗り越え

ていきたい。

全国知的障害関係施設長等会議に参加して

先週6月23日24日横浜で開催された日本協会の施設長会議

に参加しました。

このたびの役員改選で副会長に選出され、「晴天の霹靂」でした。

言葉通り なぜ故に私がとの思いですが選出いただいたからには

任期中、障害のある利用者、それを支える若いスタッフに

貢献できるように頑張る所存です。

このたびの施設長会議では社会福祉法人改革の議論が

中心でしたが、話をお聞きして違和感がありました。

社会福祉法人の課税問題やガバナンスの強化そして

余裕財産等お金の話が出発の法人改革です。

障害福祉分野は親や支援者が立ち上げた小規模事業所が多く

なかなかこのたびの改革議論からは遠いという印象です。

私は現在の議論の前に障害のある利用者の権利擁護の視点

からの改革が求められていると思うのです。今の行政監査で

良いのか?相談のあり方は?地域移行はなぜ進まないのか?

虐待を防止するにはどんな方法があるのか等々利用者の

権利擁護という視点からの改革が求められていると思います。

二日目は第4分科会「障害者の権利擁護と意思決定支援」で

コーディネーターを務めました。昨年度の意思決定支援に関する

特別委員会の内容を確認できたこと、パネラーからは本人活動の

支援、障害の重い利用者の意思決定支援地域での多様な生き方を

保障する取り組みの発表をいただきました。

権利擁護の取組とともに意思決定が徹底され利用者本人の意思に

よって人生を歩めるようになるために私たちの実践が求められて

います。

新年度に思うこと

3月の理事会で理事長職を拝命いたしました。

責任の重さを痛感いたします。ご支援ご協力どうぞよろしくお願いいたし

ます。

先日福祉協会の機関誌「さぽーと」の巻頭言に書かせていただきましたが、

利用者の権利を経営の中核に据える時代となりました。

わが国も大変遅れましたが障害者権利条約の締結国となりました。今年4

月からは国の差別解消法が施行され、同時に山形県の条例も制定されまし

た。障害のある人が地域でともに生きる時代となりました。

個人的な話になりますが山形県立総合コロニー希望ヶ丘に入職してから

40年の歳月が流れようとしています。当時重度の知的障害を持つ皆さん

への福祉施策はなくお母さんが将来を悲観しての無理心中があったり、

座敷牢に閉じ込められていたり、精神病院の個室に閉じ込められていた

人がほとんどでした。

当時の状況から言えば大規模コロニーはご家族にとっては福音だったと思い

ます。しかし、入所された利用者の皆さんは大変な状況でした。若いスタッ

フが必死に支えていましたが不幸なことに命を落とした人もあり悲しい現実

がありました。

このような弱い立場にある人をこのような状況におく社会のあり方に

怒りを覚えながらお世話に当たっていたことを思い出します。家族から地域

から隔絶された障害当事者の怒りや悲しみは想像を絶するものがあったと思

います。長い時代を経てようやく障害のある人の人間としての復権がようや

くなされようとしています。

この山形においてもどんなに障害が重くても地域で生活することができる地

域社会となるように課題は山積みですがスタッフの皆さんと力を合わせて

挑戦して参りたいと思います。一層のご支援をどうぞよろしくお願いいたし

ます。

 

 

ある作品展

先日当法人のグループホームでKさんの作品展が開かれており

彼の作品群を見ることができた。以前さぽーとの巻頭言に「可

能性の信頼」というコラムに彼のことは書かせてもらった。

精神病院から向陽園に入所されたとき薬漬け、たばこづけで

昼夜逆転の彼の生活がゲーム機を通して見事に変わり、職場実習

に行きそしてグループホームに入居され、様々な経験をされた。

そんな彼も年齢を重ね今はグループホーム生活と日中は生活介護

を利用されている。

その生活介護事業所で「ぬりえ」に取り組まれおびただしい数

の作品が展示されていた。

彼の生命の躍動を感じる作品となっている。そして現在は

作品とともにYさんが大好きとのことで一緒に移った写真を

いじらしいほど大切にしていることが伺えた。

ハリのある充実した生活を日々送っている。

様々な経験をしながら一つのことに情熱をかける

彼の生き方を手本としたい。

次年度の取り組み

立春を過ぎ自宅ではいただいた啓翁ざくらが咲き始めました。 現在次年度の事業計画づくりの時期である。 計画は常に変化し、対応を工夫し新鮮な内容でありたい。 今年の新規事業は天童市において今年度開設した 「天花」の隣にグループホームを建設いただいている。 又山形市花楯に高齢になった障害のある利用者が入居 できるグループホームを建設いただいている。 大家さんに感謝申し上げたい。 今年は雪も少なく工事も順調に進み双方とも5月に 開設予定となっている。 そして中山町からの事業の委託の話をいただいて現在 検討中である。 昨年の大きな事故があり新規の事業はと思い悩むが 利用者家族の要望や行政から要請があったりすると引き受ける 結果となる。確かに福祉、特に知的障害者の皆さんは ゆったりとした時の流れが似合う。現場では利用者に 丁寧にゆったりと関わりたい。 しかしサービスが圧倒的に不足している県内においては運動体 でありたいと思っている。利用者や 地域のニーズに対応し、変化し成長する事業所でありたい。 そのためには人材の養成が必須である。 特に小規模事業所が地域に点在する愛泉会方式では各拠点での リーダーの皆さんの力にかかっている。 基本理念を確認しながら利用者の安全安心を最優先しこれからも 利用者、ご家族の人生を支援していきたい。

新年を迎えて

新年あけましておめでとうございます。

仕事始めにあたって板垣理事長、園長・センター長より

あいさつがありました。

板垣理事長より

愛泉会はことしで31年目を迎える。

利用者、スタッフ、そしてサービス提供エリアが広がり、

事業の拡大が続いている。このような時には理念を共有し

原点を確認する必要がある。

スタッフを伸ばすのは管理者・リーダーの役割である。

スタッフの長所に目を向けて育ててほしい。

発達障害や行動障害が多くなりその発生原因と対策に留意

する必要がある。

法人の課題を共有し、コミュニケーションを図りながら

一人一人が職務に当たっていただきたい。

庄司園長

初心に帰りましょう。福祉の原点を確認し利用者中心の

考え方や利用者の可能性を信じる関わりを夢を描いて

今年一年緊張感をもって取り組んでいきたい。

村井センター長

利用者中心の考え方を徹底し、利用者の自己決定や

自己選択を大切にした取組にしたい。言葉に表せない

利用者の想いをくみ取り、探っていきたい。

率直に語り合える職場環境づくりに留意したい。

竹田センター長

スタッフの総合力を高めていきたい。

昨年自分は50歳でフルマラソンに挑戦した。

気持ちよく働ける職場づくりにつとめながら公私の

区別をつけて様々な分野にチャレンジしていきたい。

あまり無理をせずに早めにSOSをだせる職場であり

たい。

井上

障害のある利用者が地域で生活することを支えることが

当法人の実践の課題である。

ソーシャルワーク実践が求められているのでスタッフの

皆さんは自分の目標を立て研鑽していただきたい。

以上骨子です。

昨年の重大事故を反省し新しい気持ちで今年度の

事業に取り組む決意です。

一層のご支援ご協力をこころよりお願い申し上げます。

事故報告

12月8日9日評議員会と理事会が行われ事故の報告を行いました。

その後の経過と取組について報告いたします。

①行政への報告

県障がい福祉課、村山総合支庁、山形市、天童市、上山市、寒河江市、

寒河江市、山辺町に事故についての謝罪と報告に伺った。

②事故の検証会議の開催

法人の事業管理者、サービス管理責任者等による検証会議を行った。

その中で日常の送迎においても多くの事故につながりかねない状況が

報告され、添乗の見直しとドライブ活動の見直しを行った。

③緊急理事会、評議員会の開催

利用者支援の危機管理体制の確立や障害の重い利用者の立場に立った

救急医療体制や事故後の看護見守り体制についてのご意見をいただいた。

④家族会への事故報告

施設入所支援、グループホーム利用者のご家族には向陽園で事故報告を

行った。日中系利用者のご家族には文書で報告を行った。

⑤被害者への対応

お見舞い、謝罪お伺いした。今後とも連絡を取り続け、誠意をもって対応

したい。

⑥ご遺族との話し合い

ご遺族は突然のご子息の死を受け入れがたく喪失感に満ちた日々を送られ

ている。弔問にお伺いし謝罪を行っている。

⑦危険個所の調査と対応

すべてのスタッフから危険個所の報告が提出された。内容を検討し再発

防止につなげている。

⑧法人としてのリスク検討委員会の開催

定期的に管理者、リーダーを中心としたリスク検討委員会を開催して

いる。

事故発生から2ヶ月が経過しました。この間ご遺族、被害者はじめ本当

に多くの皆さんの悲しみ、苦しみに出会いました。心よりお詫び申し上

げるとともに再発防止に取り組みたいと思います。

法人としてこのたびの事故を受け止め障害のある利用者と家族の幸せを

実現するために何ができるか検証して参ります。

尚このたびの事故を受けて30周年記念式典や利用者のパーティは中止と

させていただきました。